「春の陽気」というけれど~春の憂うつ~ 其の三
前回は「陰陽説」と「五行説」について概略をご説明しました。
五行は自然界において四季(五季)にも応用され、木=春、火=夏、
土=長夏、金=秋、水=冬に分類されます。
春は成長の季節です。のびやかな成長のために「気・血・水」が
スムーズに全体をめぐる必要があります。「木」は自然界におい
て「春」に、五臓において「肝」に属しています。
「肝」はすべての臓腑の「気」がスムーズにめぐるように調整す
る役割と、感情のバランスを保つ機能があります。
春は「肝」の季節です。精神的なストレスなどの影響で「気」の
流れが滞ると、いわゆる「気うつ」や「気滞」といわれる気持ち
の落ち込みなどの症状があらわれます。春に感じるせわしない気
持ちや環境の変化、寒暖の差などでかえって肝が高ぶり、ふだん
よりもイライラしたり、不安が強くなったりすることもあります。
春は気持ちが不安定になりやすい、憂うつな季節です。春の心地
よい季節を存分に味わえる事はとても幸せなことですが、もし、
春が憂うつと感じる方は「五月病」に持ち込まないように「春の
養生」を心掛けてください。夏に向かっての準備です。
〇食事 腹7、8分目を心掛け、冬の間にため込んだ余分なものを
減らし体を身軽にしましょう。「酸」は肝の働きを助けるとされ
ています。お酢やレモン、トマトなど酸味のあるものを適度に摂
取しましょう。
〇運動 陽気が増える時期なので、体の中の気をめぐらせるため
に、日をあびて適度に運動をしなるべく発散させましょう。
〇心もち なるべくストレスをため込まず、のびのびと発散しま
しょう。自分ではどうしようもない事はくよくよ悩まない!
いきもののまっすぐな視線
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