おなかの不調 その1下痢
- 恵子 丹羽
- 2021年5月19日
- 読了時間: 2分
更新日:2021年5月20日
おなかの不調といえば便秘だけでなく、下痢や腹痛・お腹の張りなど
様々です。おなかの不調があると、なんとなく気分が悪いものです。
今回は下痢のこと。急に始まった下痢か、以前から下痢をしているか
で、急性下痢か慢性下痢かを判断します。
〇急性下痢
急性下痢で発熱や腹痛がある場合、まず感染性腸炎を疑います。細菌
性かウイルス性かで治療が異なりますが、適切な治療でよくなります。
発熱がない下痢でも感染性腸炎(おなかの風邪など)はありますが、
一般的には水分をこまめに取って消化のいい物を食べていればよくな
ることが多いです。また食事に原因があることも多く、食事の注意や
整腸剤などのお薬でよくなります。
急性の下痢で血便があれば早めに医療機関にご相談ください。
〇慢性下痢
4週間以上続く軟便を「慢性下痢」と定義していますが、血便や腹痛の
ある場合はポリープや炎症のある可能性が高いため、大腸カメラ検査
をお勧めします。大腸にポリープや炎症などの病気がないのに、下痢
・腹痛を繰り返す方に多いのが過敏性腸症候群です。ストレスなどで
自律神経が乱れることが原因で、試験や大事な会議の前、仕事が忙し
い時など緊張が続く時に下痢をして、時に便秘したりを繰り返します。
お困りの方はぜひご相談ください。
外来では下痢や便秘、おなかの不調に対して、生活習慣・食事内容、
どういう時に下痢をしやすいか、薬の効果などなど聞かせていただき
ながら、患者さんと一緒に、時には試行錯誤して薬を調整をします。
長年の不調を薬だけでよくすることは難しいこともあり、生活習慣や
食事の工夫が必要なことも多いです。よくならないとあきらめずに、
一緒に取り組んでいただけたらと思っています。
次回はFODMAP(フォドマップ)のこと。腸にいいと思って食べてい
るものが、実はあなたには効果がないかもしれない。そんな話。
マリアはいつも何を考えてるのかな。
