おなかの不調 機能性ディスペプシアvol.1
前回まで過敏性腸症候群(IBS)をご紹介しました。IBSは主に腸の機能
異常ですが、今回紹介する「機能性ディスペプシア(FD)」も明らかな
異常がないのに、ストレスなどが要因となり慢性的にみぞおちの痛み
や胃もたれなどの不調を感じる「胃の機能的な」病気です。
みぞおちの痛みといっても胃腸などの消化管のこともあれば、膵臓や
胆のうの病気、時に心臓や血管の病気のこともあり油断はできません。
心臓や血管の病気は、多くは急激に症状が起こります。また膵臓や胆
のうの病気も急に起こることがありますが、いずれにしても病院で適
切な検査をして診断を受けることが重要です。
胃には拡張することで食物をためる機能(適応性弛緩)と、十二指腸へ
食物を送り出す機能(排泄能)があります。何らかの原因(ストレスや暴
飲暴食、不規則な生活)がきっかけとなり機能が乱れ、症状が引き起こ
されます。またピロリ菌感染や胃酸過多が原因のこともあります。
症状には、食後のもたれ感、少し食べるだけで満腹になる(早期満腹感)、
みぞおちの痛みや違和感(心窩部痛、灼熱感)などがあります。
症状から原因を探り、その原因に合う治療を見つけていきます。
次回は治療のこと
梅雨も真っ只中ですが、最近の蒸し暑さには体調を崩されている方も
多いと思います。東洋医学では、梅雨など湿度の高い季節を「湿邪・
しつじゃ」といい身体が重だるく感じたり、むくんだり、頭の痛みや
めまい、たちくらみを感じる症状を引き起こします。漢方医学では、
こうした症状を「水滞または水毒」と呼び、身体の中の水が過剰にな
っているとか偏っていると考えます。
代表的な漢方薬は五苓散(ごれいさん)で、体内の水のバランスを適正
化する生薬(利水剤)です。他にも体質に合わせた漢方薬がありますの
でお悩みの方はぜひご相談ください。
猫あるある、ダンボールに入らずにはいられません。
コメント