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新潟市中央区西堀にある

内科・消化器医院です。

地域のみなさまに信頼される温かく質の高い医療を提供できるよう取り組んで参ります。

冷えと漢方薬

冷えの治療は基本的に「虚証・実証」「気・血・水」を判断し漢方薬を

使い分けます。冷えている方は虚証であることが多いですが、中には

実証~中間証(虚証と実証の間)の方もいます。

冷えのタイプと個々の症状から判断する「気・血・水」の異常、それに

対する一般的な処方をご紹介します。


1全身の冷え(主に虚証)

体内の熱を作る力・新陳代謝が低下し、その結果全身が冷えるタイプ

食欲や気力が失われ、疲れやすくだるくなります。

✿気虚:食欲不振、疲労感、日中の眠気など

主な処方)人参湯、六君子湯、補中益気湯など

✿水毒:下痢、むくみ、めまい、関節痛など 

主な処方)真武湯、桂枝加朮附湯、半夏白朮天麻湯など


2手足の冷え(主に虚証~中間証)

手足の先まで血のめぐりが悪く冷えを感じるタイプ

手足の痛いほどの冷え、しもやけ、下腹部痛など

✿血虚:貧血、肌の乾燥など

主な処方)当帰芍薬散、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、温経湯など

✿お血:月経不順・更年期、肩こり、便秘など

主な処方)加味逍遙散、桃核承気湯(実証)など


3冷えのぼせ(上熱下寒)

気や血のめぐりが悪く、顔・上半身がのぼせ下半身が冷えるタイプ

✿気逆とお血:更年期、いらいら、のぼせ、動悸、便秘など

主な処方)桂枝茯苓丸(実証)加味逍遙散(虚証~中間証)


4足腰の冷え(主に虚証)

加齢で成長や発育・生殖能を主る「腎(じん)」の気が不足しているタイプ

✿腎虚:体力低下、腰痛・しびれ、坐骨神経痛、夜間頻尿など

主な処方)八味地黄丸、牛車腎気丸など


5冷えの関わっている処方と症状

呉茱萸湯:頭痛や吐き気(体力が低下し、手足が冷えるような方)

五苓散:むくみ、頭痛、めまい、気圧の変化による不調(虚証~実証まで)

麻黄附子細辛湯:熱はないがあっても微熱程度、頭痛、寒気(体の弱い

高齢者、手足が冷えて寒気がある方)


私たちの体は、食べている物と体を動かすことで作られます。食生活と

日常生活をおろそかにしては、なかなか冷えはよくなりません。忙しく

ストレスの多い毎日ですが出来ることからこつこつと。生活習慣のアド

バイスもいたしますので、冷えが気になる方は受診をお勧めします✿


次回は深呼吸のことなど。


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