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新潟市中央区西堀にある

内科・消化器医院です。

地域のみなさまに信頼される温かく質の高い医療を提供できるよう取り組んで参ります。

便秘のこと その3

日本では長年センナやセンノシドなどの大腸を刺激して動かすお薬と

酸化マグネシウムという便をやわらかくするお薬が多く使われていま

した。ここ数年多様な下剤が日本でも使用できるようになり「出せば

よい」から「より快適に出す」ために自分に合う下剤を選べる時代に

なりました。

外来では問診などで器質的便秘を除外して便秘の治療を開始します。

一般的に便が硬いことが多く、便秘治療のスタートは便をやわらかく

することです。まず便をやわらかくするために酸化マグネシウムを開

始、腸の動きが保たれている方は排便が順調になります。ただし高齢

者や腎機能が低下している場合は注意が必要です。それでも便秘が続

く場合は腸の動きが弱っているか、直腸性便秘(排便困難型便秘)の

可能性があります。センナなど腸を動かす刺激性下剤は即効性があり

ますが、飲み続けると薬が効きにくくなるため常用はさけて頓用で内

服することをお勧めします。

酸化マグネシウムや刺激性下剤の頓用によっても排便困難や腹痛など

の症状がある場合には新しい下剤が効果的なことがあります。

ここで紹介するのは以下の3種類の薬です。

①ルビプロストン(アミティーザⓇ)小腸内の水分量を増加させ便を

やわらかくして便秘を改善させます。高齢の方に使いやすく若い女性

は時に吐き気の副作用があり注意が必要です。

②リナクロチド(リンゼスⓇ)ルビプロストンと同様便をやわらかく

して排便を促します。違いは知覚過敏をおさえる効果があり、お腹が

痛くなりやすい便秘型過敏性腸症候群の方に有効です。

③エロビキシバット(グーフィスⓇ)胆汁酸の効果により便をやわら

かくし、かつ大腸を動かす2つの作用があります。個人差はあります

が平均5時間くらいで便が出るため時間の調整が可能です。

いずれの薬剤にも個人差があり、今のところ標準的治療法はないため

下剤の使い方に正解はありません。日常生活を快適に過ごすため医師

と相談しながら自分に合った下剤を見つけていきましょう。


次回は漢方の下剤をご紹介します。

ソファーでくつろぐマリアはいつも何考えているのかな。





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